ざしわらの家

日々思ったことを書き連ねる雑記ブログ。元ニート。

一流選手を指導するコーチの一番の仕事は「休ませること」

なかなか体罰問題が収まりませんね。

柔道のナショナルチームの件でも、かなりもめています。

 

体罰をしたら強くなるのか?みたいな話も結構されていますが、僕としてはそれってあまり意義ある話には思えません。だって、仮にすっごく効果的に選手を強化できる体罰が見つかったとしても、やっちゃダメでしょ。ダメなものはダメなんです。

 

そもそも、コーチの仕事って何でしょうか。

まず、コーチって何でしょうか。コーチであるための前提条件は?

僕は、コーチであるための条件として、選手と信頼関係を築けることが第一に上がるべきだと思っています。一流選手は、短い競技生活に人生をかける覚悟で取り組んでいるので、普通は信頼できる人にコーチしてもらいたいと思っています。

 

では次に、コーチは何をすべきか、ということですが、一流選手に対して通常行うべきことはただ一つだと思ってます。それは、休ませること。

特に一流選手ほど、休養の重要性は知っていても、なかなか休めない。自分が休んでいる間にも、ライバル選手は練習していて、かつ何か新しい気付きを得ているかもしれない、自分は本当に休んでよいのだろうか?ただ単に怠けたいから休養しているだけではないのだろうか?といった不安が常に付きまとっているように思います。

そこで必要になるのが、コーチが「休め」と言ってあげることなんです。信頼できるコーチが言うことであれば、自分自身を納得させることが出来ます。ここで信頼できるコーチでなければ、自分を納得させることが出来ない訳です。

 

コーチは選手の心の支えになれる存在です。何も体力系・技術系トレーニングを教えるだけが仕事ではありません。むしろトップに上り詰める選手たちというのは、体力や技術について独自の繊細な感覚を持っている場合が多く、技術指導が必ずしも積極的効果をもたらすとは限りません。

それよりも、精神を安定させることの方が、競技成績にプラスの影響を及ぼす可能性が高いように思います。だからこそ、コーチは信頼に足る存在でなければならないのです。

 

その点、今回の柔道監督の辞任は、正しい決断だったと思います。もちろん、これで体罰関係の問題が解決されるわけではありませんが。

彼がいかに素晴らしい技術指導を出来る能力を持っていて、一般的には人格的にも優れていたとしても、もう二度と現在のナショナルチームの選手たちから信頼を勝ち得ることは出来ないでしょう。そうなると、コーチ業を続けたいと思っても、期待される役割を十分に果たすことは出来ないのです。そうなると、柔道の発展、今後の柔道選手の競技成績向上という観点から見ても、彼が監督として果たせる最後の仕事が、潔く辞めるということだったのではないでしょうか。本人の気持ちは知りませんけど。

 

今回の監督は、怪我をしていても無理に試合に出場させようとしていたという話も聞きます。トップ選手の場合、無理をしてでも出なければならない試合があることは確かだと思いますが、一般的には、怪我をしていたら休むのが一番です。というか、ぎりぎりのところで怪我をさせないようなトレーニングを組み、指導に当たるのがコーチとしての資質が優れた人なんだと思います。

 

同じく選手を叱る(今回の場合は感情的に怒っただけ!?)とき、体罰ではなくて、「こら!休まなければダメだろ!!」といえるコーチ。こんな人が増えて欲しいですね。