きっと忘れない ~内定式を前にした若造のホンネ~
もうすぐ内定式ということもあるので、その前に抱負を書いてみようと思います。
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そもそも抱負って何さ?とあらためて調べてみると、「心の中に抱えている決意や志望」とある。何とも厳めしくて、書く気をなくしてしまいそうです。決意とか志望とか言うと、大げさすぎる気がして恥ずかしくなる……。
適当に「~~の職員として恥ずかしくないように」みたいなことを書くこともできないことはないけど、それだと本心とは若干違ってくる場合もあるし、なんだか心がこもっていない感じがする。かといって、あんまり大げさに書いても夢物語でしかなくなってしまいます。
まあとりあえず、恥ずかしさとかに目をつぶりつつ、今心の中にあるものを、少し控えめに、それでいてありのままに書いてみます。
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僕は、「世の中をよくしたい」とか思ってます(本当ですよ!)。
人々が助け合い支えあっている社会、貧困のない社会、自由と平等が保証された社会と言った理想は、誰もが望むものです。しかしその一方で、殆どの人がそんな社会は実現不可能だと思っている蚊、他の誰かがそのうち何とかしてくれるくらいにしか考えていないような気がします。それを本気で実現してやろうだなんて、ばかげていると思う人すらいることでしょう。
実際、理想の社会なんてものは人によって違うものだし、一つの社会が万人の望みをかなえることは出来ません。ある社会は誰かを幸せにするけど、誰かを不幸せにするのが普通です。
そうと分かっていても、僕はよりたくさんの人が幸せを感じられる社会をつくりたいと思ってます。ホント青臭い感じですね。でもこれが、僕の初心だと言えると思います。
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「初心忘るべからず」という格言がありますが、これは初心の大切さを示しています。しかしこれは、裏返せば初心なんてものは簡単に忘れてしまうということをも意味しているのではないでしょうか。
人が新たな一歩を踏み出す時、夢や希望、それに強い決意を胸に抱きます。
この気持ちをきっと、いや絶対に忘れない、とその時は思うものです。しかし、多忙な日常を送るうちに、いつしかそういった気持ちも忘れてしまうのでしょう。かなり意識的に覚えておこうとしなければ、忘れます。
これは、自分自身の過去を振り返ってみても、周りの人を見ていても頷けるところです。
それに、人の気持ちは移り変わります。困難なことがあれば安易な方向に流れてしまいますし、そうでなくても、年齢や周囲の状況の変化によって、人の気持ちは刻々と変化します。
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このように、人は過去の気持ちを忘れ、あるいはかつて抱いていた思いを変化させます。自分だって例外ではありません。ただ、それでも自分の核となるような純粋な思いは、忘れるべきではないでしょう。
「社会を良く」とか「みんな幸せ」なんてことを本気で考えながら、今のすさんだ社会を生きていくことは、とても大変なことでしょう。
でも、そんな気持ちを持つ人がいない社会に明るい未来みたいなものは待ってないとも思うのです。それに、夢も希望もない、つまらない社会になってしまうような気がします。
だから、僕は世間知らずの馬鹿若造と言われるだろうけど、この気持ちを大切にしたいと思います。
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ここまで書いてみて、自分の抱負とすることを決めました。
「この何とも言えない、恥ずかしいような、照れくさいようなこの気持ちを忘れないこと」にします。これを最も大切な抱負とします。
いつか自分がおじさんになって、この抱負をあらためて読んだ時に、若いころの自分を馬鹿にせずに、素直に共感できたら、すごく素敵だと思うし、自分を誇りに思えるに違いありません。
もちろん、「自分のことばかりでなく、他人のことも考えられるように」とか、「もっと教養を身につけて賢くなる」とか「人の痛みに思いを馳せられるように」とか、今後大切にしていくべきことや目指すべきことはたくさんあります。
ですから、そういった気持ちも含めて、今の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
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最後に、強い心と体を持つこと、奢らず腐らず一生懸命頑張り続けること、同期を大切にすること、は特に大切だと思うので、ここに併記しておきます。
来年から頑張ろう。
この国の未来に、幸あれ。