青春とは何か?
僕の青春は終わった。
これから先、情熱を傾けられることを見つけられるんだろうか?
近頃、こんな人を見かけます。
僕の周りでは、競技の引退と同時に、まるで残りの人生は消化試合とでも言うかのように、すっかり元気をなくしてしまうんです。
僕自身、自分の能力に限界を感じて以降、これから先の人生をどう生きればよいのか、随分悩んだものです。
もう、僕らの青春は終わってしまった……。
◇
青春。
インターハイを目指したあの頃、僕は情熱的でした。絶対にやってやるんだという意志が僕を強くしました。自分の理想の姿を求め、日々格闘していました。
情熱は人を若々しくさせ、人生を盛り上げます。
意志は人をたくましく、強くします。
理想が僕の人生を生き生きとさせていました。
大学で後輩にコテンパンに負け、才能の差を見せつけられた時からでしょうか? 同期から、「お前に負けたら引退する」と言われた時からでしょうか?あるいは、全日本インカレに出れないままに卒業したときからでしょうか?僕は情熱を失いました。
◇
僕から見える世界は灰色で、毎日が憂鬱でした。
賭けに負けた、とでも言えばよいのでしょうか、いろんなものを捨てて競技の世界に飛び込んだものの、全く通用しないという現実を目の当たりにし、僕は絶望に打ちひしがれました。
努力すれば夢は叶うだなんて、大嘘でした。
僕が大学で学んだことは、夢を実現するのに必要なものは「99%の努力と1%の才能」ということでした。
日本人は努力という観念をたいへん好みますが、本来エジソンがこの言葉を言ったときの意図するところは、別にあったそうです。努力するのは当然のことだけど、ひとかけらの才能もなければ何もなしえない。まさにそういうことです。
僕は、一気に老け込みました。
◇
実は、先日とある詩集を読みました。
サムエル・ウルマン「青春とは、心の若さである」
- 作者: サムエルウルマン,作山宗久
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こういうの読んでみたら良いよ的なリストに載っていたので、手に取ってみました。普段、詩なんて読まないんですけど。どうやら、この詩集の「青春」という詩が昔流行ったようです。
「青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ち方を言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、豊かな想像力、炎える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さを言う。」
「ときには、二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うとき初めて老いる。」
「霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ、
悲歎の氷にとざされるとき、
二十歳であろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえる限り、
八十歳であろうと人は青春にして已む。」
全文はネットで検索してみて下さい。すぐに出てきます。
◇
この詩は、無名の詩人サムエル・ウルマンの創作で、マッカーサー元帥が座右の銘として紹介したものだそうです。
また、 松下幸之助さんもこの詩を愛したそうです。心の持ち方次第で、青春は永遠だというのが、気分にマッチしたのでしょう。
しかし僕はむしろ、心の持ち方次第では、二十歳にして老いるというところの方に 胸を打たれました。僕はもう老いているのではないか、と考えざるを得ませんでした。
僕は確かに若く、肉体的には充実していると言えるでしょう。運動してみても、まだまだ衰えている感じはありません。肌にハリだってあります。
しかし、気持ちは違いました。なにせ情熱を失いつつあったのですから。
◇
僕は今、老いています。
でも、老いたままの人生にはしたくありません。いつかまた青春を取り戻します。そしてそれは、きっと可能なはずです。
青春とは、心の若さなのだから。
※多分、僕は仕事に情熱を傾けます。