WBCに見る日台関係 ~スポーツが深める両国の絆~
WBC(ワールドベースボールクラシック)が終わりましたね。
ドミニカ共和国が優勝し、日本はベスト4まで進みました。昨年時点では参加するかどうかでモメていましたが、終わってみたら結構面白い大会になりましたね(もちろん、関係者の方々の御苦労あってのことだと思いますが)。
スポーツの国際大会は平和の祭典であるとも言われ、五輪はその象徴です。古代オリンピックに至っては、五輪開催中は戦争を一時中断しなければならないというルールまであったそうです(エケケイリア)。
しかし実際には、スポーツの国際大会と言えば、普通は各国のナショナリズムが燃え上がります。平和だなんてとんでもないことです。
日韓戦というものはまさにその典型で、スポーツに政治は関係ないと言いつつ、お互いにライバル視しています。ロンドン五輪での「竹島事件」なんかは、記憶に新しいですよね。
その他にも、歴史をさかのぼれば、ナチスがベルリン五輪を政治利用したり、冷戦期の相互ボイコット等がありました。
このように、スポーツと国際政治は非常に密接な関係にあり、どちらかというとネガティブな関係で捉えられます。
そんなスポーツ国際大会ですが、今回のWBCでは、まさにその正反対なことが起こったようです。
事の発端は、日本の応援団が、台湾に感謝の気持ちを伝えようという動きを見せたことによります。
感謝!?なんて人はませんよね。台湾は東日本大震災の際に多額の援助をしてくれた他、直ぐに緊急医療隊などを派遣してくれたそうです。まさに日台友好の証と言えます。
このような台湾の有難い行為に感謝の気持ちを伝えようという動きが、twitterを通じて広がりました。そして、試合前、大勢の日本側応援団が台湾への感謝を表す色とりどりのプラカードを掲げたのです。
この日本側応援団の行為に、多くの台湾選手が感動したそうです。
そして試合。
白熱という言葉以外で、何と言い表せばよいでしょう。9回2アウトからの逆転という、劇的な結末が待っていました。
そして、さらに感動的な展開が待ち受けていたそうです。
敗れた台湾選手が、観客に向かって深々と一礼。日本側の感謝の気持ちに、さらに礼で応えました(あと、そもそも日本が「台湾」と呼んでくれること自体嬉しいらしいです。中国の一部ではないという意味で。)。
先に書いたように、スポーツの国際大会は、各国のナショナリズムがぶつかり合う場です。理想とはかけ離れたドロドロした世界です。これは国対抗の宿命かもしれません。政治家がスポーツを政治利用することだって珍しいことではありません。というか、大抵政治利用します。残念なことかもしれませんが、これが現実です。
しかし、たとえ普段はドロドロしている国際大会であっても、スポーツはこんなにも美しいものになりうるのです。
WBC日台戦は、そのことをはっきりと示しています。
最後に……、
スポーツを超えた、より一層の日台友好を祈って。